さて、もうやはり既に1ヶ月近く経過しておりますが、Frank(フランク)を見に行ったお話。
日本ではきっとDVDスルーだろうな、と思っていたら10月の公開が決定したようですね。
ミュージシャンを目指すも全く音楽の才能が無いちょっと冴えないジョン役にドーナル・グリーソン。
(そう、ハリーポッターのロンのビルお兄さん役のひと。この作品で気になる役者さんにランクインしました。)
あらすじ・・・(ネタバレあり?ラストはもちろん書きません。)
ミュージシャンを目指し作曲に勤しむ、ごく普通の冴えない男・ジョンの地元に、あるバンドがライブツアーでやってきた。そのバンドのキーボーディストが自殺未遂を図る現場にたまたま居合わせたジョン。救急車で運ばれるキーボーディストを背に、「ぼくキーボード弾けます。」
バンドのマネージャーは時間とべニューだけをジョンに告げ、現場を後に。
べニューに到着したジョンは衝撃の光景を目にする。
前衛的なサウンドを奏でるSoronprfbsと、フロントマンのフランク。
張り子の頭でっかちなマスクをかぶった謎の男の放つオーラとカリスマ性は異常だった。
リハーサルゼロで本番を迎えたジョンは何とかバンドに合わせて演奏するも、機材トラブルによりテルミン奏者のクラーラがブチ切れ、ライブは中止に。
一夜の不思議な体験に酔いしれながらも日常生活に戻ったジョンだったが、そんな彼にマネージャーから「演奏しないか」とまた誘いが。
また一晩だけなら・・・と車に乗り込んだジョンが連れて行かれたのはアイルランドの田舎の小さな家。「さあ今から半年ここに引きこもってレコーディングだ」「聞いてない!仕事どうすんの!」こうしてジョンとバンドの不思議な共同生活が始まる。
バンドメンバー、特にフランクのインスピレーションは実にアーティスティックで、自然のあらゆる音が楽器になるようだ。(キレッキレのフランクが、なぜかめっちゃイケメン。顔見えないけどイケメン。)
ミュージシャンにどうしてもなりたいジョンは、自作の曲を披露するもボロカスの言われよう。
そんな才能に満ちたバンドの様子を、ジョンは終始YoutubeやTwitterなどのSNSにポストしていたのだ。それを知ったメンバーやマネージャーに不穏な事件(ここではネタバレなので伏せておきます)が起こるも、ネット上では破天荒なフランクが人気を博し、SXSWへの出演が決まる。
さて、バンドはテキサスへ向けて出発・・・・するのだが・・・・
という流れ。
散りばめられた笑いの要素と、フランクのチャーミングさ・奇天烈ぶりにニヤリ。
しかし初めから感じるどこか掴みどころのない寂しさが、最終的には落ち着くところに落ち着きます。
SNSで有名になり、いざ表に出たときの不甲斐なさ、ワナビーの行く末。
現代のネット社会の虚無感と、心に傷を抱える者がそれと面と向かう時。
単なるコメディではなく、様々な要素が淡々と描かれているように私は感じました。
この映画の最も興味深い部分は、実在の人物フランク・サイドボトムという、80年代にイギリスで人気を博したコメディアンがモデルになっているということ。
これはThe Smithsの替え歌か?私には何が面白いのかレベルが高くて理解できませんが、コミカルな動きと鼻声がチャーミング。でも映像を見ているうちに中毒性が高くなる不思議な存在。
ここで書くともう~やたら長くなるので、興味がある人はぜひガーディアンの記事を読んでみてくださいね。
あいにく彼は2010年にすでに他界してしまっています。
ごく最近のことなので、いろんな記事を見ていると、「彼が亡くなって改めて、存在の大きさを感じたよ・・・」というコメントが多く見られました。
下の映像は、彼が亡くなるほんの直前まで活動していた「マジカル・ティンパリー・ツアー」という、彼の地元(マンチェスターのちょっと南にある町)を面白おかしく紹介するガイドツアーを収めた映像。彼が愛されていた様子が分かります。
(その辺には全く思い入れのない外国人ですから・・・笑)
日本の皆さん(特に音楽好きのひと)は10月ぜひ要チェックです。
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