これも書こう書こうと思って温めてしまっていたネタのひとつ。
2013年にシリーズ1、2014年にS2がBBC2で放送されたテレビドラマ、Peaky Blinders(ピーキー・ブラインダーズ)について。
昨年の夏に日本から遊びに来た友人から「今度シリーズ2が放送になるから、それまでに1を見て!」とゴリ押しされまして。
昨年の夏に日本から遊びに来た友人から「
大好きなキリアン・マーフィーが主演とは言え、ダークなギャングものということでちょっと敬遠していたのですが、一度見始めるとこれがハマるハマる。
舞台は1920年代のバーミンガム。第一次世界大戦でフランスへ遠征していた男たちが、身も心も負傷して街へ戻ってきたころ。
バーミンガムのSmall Heathという地域を仕切っているのは、ギャング一家であるPeaky Blinders。
(この名前の由来は、闘争の際に相手を傷つけることが出来るようピーキー帽の中に剃刀を仕込んであることから名づけられたということ。)
競馬のブックメーカーや盗品の売買などで利益を生み出し、金の力でものを言わせている文字通りの犯罪組織。
S1E1では、ボスであるトミー・シェルビー(キリアン)の手下の間違いで意図せず密輸の途中だった武器を盗んでしまいます。
それをIRAの仕業であると見込んだ警察は、敏腕刑事キャンベルを北アイルランドから派遣。この事件を解決し、はびこるバーミンガムの犯罪を一掃することを目指します。
この刑事が女スパイ・グレースをパブに送り込み、トミーに近づき情報を得ようとしますが・・・2人は惹かれあってしまうわけですねー。(あぁ切ない・・・)
またトミーが戦争のせいで抱えているPTSDとの葛藤や台頭するコミュニストたちとの関わりなど、時代背景が物語に深みをつけています。
ただただ「強いぜ俺たち!」というギャングではなく、家族間の問題や弱さを見せることで、
ギャングとて必死に生きている人間であり、なぜ彼らが犯罪(またはそれのスレスレのこと)をしてまで生きていかねばならぬのかが描かれています。
テーマ曲はNick Cave & The Bad Seedsの「Red Right Hand」であり、S1・2を通してジャックホワイト、PJハーヴェイ、アークティックモンキーズなどの楽曲がガンガン流れて、音楽ファンとしても大満足のBGM。
さらに、20年代の埃っぽさや暗さを見せる演出、ビシッと決まったスーツやドレスなどの衣装などが見れられる美しい映像も見所の一つです。
その多面的な描き方に賛否はあれど(犯罪は所詮犯罪ですからね!)、イギリスでは大人気シリーズになりました。
S2では、「もっと事業を拡大しよう!」とロンドンへ乗り込んでいき、ロンドンを仕切る数々のギャングたちとの攻防が主軸になります。
そこでカムデンのジューイッシュ・ギャングのボスとしてトム・ハーディが登場。
え?これ本当にトムハ?と目を疑うくらいにゴリゴリのコックニーアクセントを話す強面のオッサンになりきっていました(笑)
すでにS3の製作も発表されており、例年通りであればまた今年の秋の放送になりますね。
すでにS3の製作も発表されており、
S2の最後で「リアル・マネーを稼ぐ時だ」と宣言していたので、脱・犯罪を目指し本当のビジネスを始めようという展開になりそうです。
そしてトミーと2人の女性との恋愛の行方も気になりますわ・・・(まぁこのトミーがいつも沈着冷静で仕事が出来て実は家族思いという男であり、大変モテモテなわけですもので。)
日本では現在Amazon UKからDVDを取り寄せるしかないのかもしれませんが、イギリスでますます人気を得れば、日本での放送もあり得るのかな?と期待しています。
キリアンがインタビュー番組で、「この時代の貴族や特権階級を描いた作品は多くあるけれど、ワーキングクラスを描いた作品って珍しいよね。」と言っていたように、日本でも人気の「ダウントン・アビー」と同時代の社会でこのような裏表があるのだということを取り上げるのは、興味深いと思うんですけどねー。
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