24 Apr 2015

Find The Traces of BLUR in London #1

ブラーファンによるブラーファンのためのブラーゆかりの地まとめ第1弾、ロンドン編。
ブラーのヒストリーに沿った時系列に並んでいますので、彼らの歩んできた足跡に思いを馳せてください。また、BSTで渡英予定の方はぜひ足を運んでみてください!

1. デーモンのバイト先のクロワッサン屋
まずは89年ごろにデーモンがスタジオ代を稼ぐためにバイトをしていたというEuston(ユーストン)駅のコンコース内にあるクロワッサン屋さん。
「サンドイッチ屋じゃなくて、クロワッサン屋なの」と言っている通り、確かにクロワッサンを押し出している?パン屋さんなので、恐らくここのことだと思います。
「バンドを背負っていくんだ、俺には音楽しかない」ともがいていた20歳の頃のデーモンが真面目に働いていたことを考えると、涙が・・・ あ、早いですねまだ1箇所目なのに。
【Euston Station】
アクセス:Underground Northern&Victoria Line/National Rail - Euston駅構内
Googleマップ:https://goo.gl/maps/odIZ2


2. ゴールドスミス・カレッジ
一方その頃グレアムとアレックスが通っていたのが、New Crossにあるロンドン大学のGoldsmiths College(ゴールドスミス・カレッジ)。
2人ともここのファインアートコースに行っていたんですね。今考えると、元々アートに親しんで勉強していた人でないと選ばない道であり、改めて彼らの生まれ育ちのよさを感じます。
学生ユニオンのクラブ・パブに出入りをするために、デーモンはここの定時制コースをとりました。その傍らバイドにいそしみスタジオ代を稼いでいたわけです。泣ける。
【University of London Goldsmiths Collage】
アクセス:Overground - New Cross Gate駅 徒歩
Googleマップ:https://goo.gl/maps/a8oqR


3. センター・ポイント
続いて、デビュー後2枚目のシングルBangのMVが撮影されたのが紛れも無くロンドンの街中。
唯一認識できるのがCentre Pointの場所なので、恐らくTottenham Court Road(トッテナム・コート・ロードからOxford Circus(オックスフォード・サーカス)周辺でのロケだったのではないかと推測できます。
同じ角度で撮ったみた!の図。
【Centre Point】
アクセス:Underground Central/Northern Line - Tottenham Court Road駅、目の前
※なお、セントラルライン・TCR駅は2015年末まで工事のためクローズの予定。通過してしまうのでご注意を!また、センターポイント自体も2015年4月現在は工事中です。残念・・・
Googleマップ:https://goo.gl/maps/jpz0b

4. トラファルガー広場
そしてセカンドアルバムModern Life Is Rubbishの1曲目、For TomorrowのMVにもまたロンドンの街中が多数登場。
印象的なのはトラファルガー・スクエアで走り回るメンバーの姿ですね。大量の鳩はもう居ません。モノクロで撮るとよりMVっぽい雰囲気が出ます。
【Trafalger Square】
アクセス:Underground Bakerloo/Northern Line Charing Cross駅 目の前
          Northern/Picaddilly Line - Leicester Square駅より 徒歩5分
Googleマップ:https://goo.gl/maps/B1J4V


5. プリムローズ・ヒル
For Tomorrowから、歌詞にも登場するPrimrose Hillはロンドン随一の絶景スポット。この丘でデーモンとかわいこちゃんがゴロゴロしていたのです。
ファンが描いたという歌詞の一部は、2009年の再結成の時期にはまだ健在でした。オリンピック前の整備の一環で一度消されてしまい、すぐに復活したしたものの、また消されてしまって今はもうありません。ここに文字があって誰が迷惑するんだって話です。これを見に世界中からファンが訪れれば、それは良い効果だと言えると個人的には思いますが。
悔しいのでこれも同じ角度から撮ってみた…2009年の再結成の時の写真です。
ちなみにここはチャリンコ禁止なので悪しからず!
【Primrose Hill】
アクセス:Underground Northern Line - Chalk Farm駅より徒歩10分
Googleマップ:https://goo.gl/maps/lCKrw

長くなってしまうので、一旦ここまで。第2弾へつづきます。

23 Apr 2015

ドイツ: 冷戦とDDRを探る旅 ドレスデン編

ドイツの旅後半は、ドレスデンへ行ってきました。ベルリンから南へ列車で約2時間、往復で約50ユーロ。
 ドレスデンといえばザクセン王国の栄華を残す美しい街というイメージですが、第二次世界大戦でアメリカ・イギリスから受けた大空襲で街は壊滅。その後のソ連の占領、東ドイツDDRの成立で、十分な復興が行われないまま、数十年間廃墟があちこちに存在していたという暗い歴史を持っている街でもあります。今回はそのWW2~DDR期の歴史を探索してきました。

まずは「Dresden1945 Tragedy And Hope of a European City」というエキシビションへ。
ここでは第二次世界大戦の経過と、ドレスデン大空襲に至るまでの過程を説明したのち、最後の部屋でその時の街の様子がドーム状の室内に360°映し出されています。
櫓のようになっている階段を上ってから見ると、まるで高台に立って街を見下ろしているかのような体験ができるというもの。
3Dのようにも見え、まるでその場で起きていることかのようなリアルさが演出されていました。
私のように街の地理が分からない者が見てもピンとこない部分がありますが、お年寄りが指さしながら感慨深げに見ている様子は何とも言えない悲しみがありました。

続いて、「DDR Museum Zeitreise」へ。
閑静な住宅街の中にあり、入口も「え?本当にここ?」というひっそりとした佇まい。もやっとした不安が襲います…
いざ中に入ると、たっぷり4フロアに所狭しと並べられたDDR関連プロダクトの数々!
また市民の暮らしに焦点を当てたミュージアムということで、衣食住の全てを網羅した展示が圧巻のボリューム。
↓DDR市民の休日。森の中の小屋でゆっくりまったりする質素な休みを過ごして楽しんでいたようです。

↓スーパーを再現した一画。映画「グッバイレーニン!」で主人公のAlexがお母さんのために探し出したMocca Fix Goldがありますね。
↓やはり茶色が基調のシックなお部屋。素敵です、住みたい。
↓キッチン。見る人が見たら懐かしさがいっぱいなんでしょうね。
↓人民公社Robotron製のコンピューターと、ここにもいましたホーネッカーさん。
このミュージアムは、中高年の方がDDR時代を思い出して懐かしむ、日本で言うところの「昭和レトロ館」のようなところなのかと思います。外国人はもちろん私だけのようでした・・・笑

ちなみに今回滞在したのはドレスデンの中心から少し北に行ったノイシュタットという地区で、若者が集まるちょっとしたオシャレエリアだったようです。
可愛らしいカフェやティールームなどもあり、トラムも走っているので交通至便。
フラットの隣のカフェ「Tanteleuk」でドレスデンのチーズケーキ「アインシェッケ」を。

まだまだ謎の空き地や廃墟の建物も多く残っていたドレスデン。今度行くことがあったら、また景色が変わっているかもしれませんね。

22 Apr 2015

ドイツ: 冷戦とDDRを探る旅 ベルリン後編

前回の記事に引き続きベルリン旅行記後編は、行ったDDR関連のミュージアムについて。
DDRを深く知るための情報がギュッと詰まっており、あらゆる角度からかなりディープにDDRを学ぶことができました。私はいったい何を目指しているんだ…

1. DDRミュージアム
 東ドイツ時代の市民生活に焦点を当てたミュージアムということで、インタラクティブな展示と、冷戦時代の変遷を詳しく説明している(文字メインの)セクションがありました。
トラビの運転をシミュレーションできるコーナー、当時のラジオ放送が聴ける(ドイツ語なので???ですが…)コーナーなどの体験型のアトラクションは、壁が崩壊してから生まれた子供たちにとっては新鮮なようで、たいへん賑わっていました。

↓ちょっと見つかりにくい場所なので要注意。
 ↓これはまさに映画「善き人のためのソナタ」で描かれている、シュタージの盗聴部屋を再現した場所。行く直前に映画を見ておくと、よりイメージがしやすくて良いですね。

2. シュタージ・ミュージアム
 ここはまさに東ドイツの秘密警察・シュタージの本部の建物をそのまま利用している博物館で、主にシュタージの使命や仕事の内容を解説しています。先述の「善き人の  ためのソナタ」でも、危険人物として監視されていた劇作家が自分の記録を見に行くシーンが最後にありましたが、まさにその情報がここに保管されているワケです。
 キッチリしている真面目なドイツ人の仕事っぷりが圧巻であると同時に、スパイにこれ程の労力やコストをかけなければならなかった東ドイツの病んだ体制が窺えるような気がします。そんなお金があったなら他のことに使って国民を満足させられなかったのだろうか…と。(そんな単純なものではないですよね)

↓住宅街の中に突如現れる本部の建物。もちろん壁の崩壊まで、一般人にはその存在は知らされていなかったといいます。
↓オフィスの様子、これはお偉いさんの席でしょうか。電話も1台で回線1つの時代。…どれが鳴ってるか分からなくなりそう。
また、パソコンがなかった時代の情報管理は想像に難いものがあります…
↓盗撮用の小型カメラを仕込んでいた場所の一例。そして、実際にシュタージが撮影した写真です。今流行っているトイカメラやインスタグラムのフィルターのような仕上がりですね。これのせいで不当に逮捕され、自由な人生を奪われた人が何人いたんだろうと考えると、胸が苦しくなります。実際に逮捕された人のバイオグラフィーも多く展示されていました。

3. フリードリヒ・シュトラッセ駅検問所跡「涙の宮殿」
 ここは入場無料のミュージアムで、東西ベルリンの数少ない出入口となっていた場所です。
もちろん一般の東ベルリン市民は国境を越えることを認められていないので、海外からの旅行者や特別な許可を得た人のみが通ることができた門であったといいます。
↓外観。ここでも多くの市民の痛切な別れや不当な逮捕などが繰り返されたのかと思うと、やはり胸が痛みます。
↓展示の様子。東西ベルリンの出入国のプロシージャをメインに、壁が作られてから崩壊までの30年を振り返る内容になっています。下の画像は、検問所が稼働していた当時の模型。
今は取り壊されていますが、この検問所の奥に駅に続く通路が存在していました。画像の右半分で表されている部分です。
↓これがまさに尋問室。ここを1人ずつ、細かく検査して出入国審査が行われたのですね。
通る人はきっと、何も悪いことをしていないのにいつどのように連行されるか分からない緊迫感を持っていたんだろうな、と想像します。
持ち物1つ1つを残らず申請しなければならず、特に現金の持ち込み・持ち出しは厳しかったようです。


《おまけ》
ぶらぶらと旧東エリア、特にカール・マルクス・アレー周辺を歩いていると、いかにもソ連の影響を受けたDDRらしい建物にもいくつか出会いました。思わず足を止めてパシャパシャ。


続いて、ドレスデン編に移りたいと思います。もうちょっとお付き合いをば。

21 Apr 2015

ドイツ: 冷戦とDDRを探る旅 ベルリン前編

先週から約1週間かけて「冷戦とDDRを追及する旅」と題し、ドイツはベルリンとドレスデンを旅行してきました。
表向きにはカッコいいタイトルを付けましたが、ソ連の影響を受けたスターリン様式などの建築物、またシュタージやDDRのプロダクトを見たいというユルっとした目的でした。
イデオロギー的に社会主義に傾倒しているとか、そういうのは全くありませんので悪しからず…

まず、到着した日はその足でホテルへ。その名も「Ostel(オステル)」。
ドイツ語の東OstとHostelをかけたネーミングの通り、内装をDDR仕様にこだわっているというホステルです。
私はシングルルームをブックしましたが…うーん、これもDDRの洗礼かと思うしかないショッボイ部屋でした。一般の人も住んでいるフラットの一部を宿にしているようで、バス・トイレは共同、部屋にはテレビもなく、隣の部屋の声は結構丸聞こえ。これも怪しい行動をしてる人はシュタージにお縄!なDDRの名残かと思うしかない。笑
それでも、家具や壁紙はまさに映画『グッバイレーニン!』で主人公のAlexがお母さんのために仕込んでいた、あの雰囲気。ラジオも当時のもので、ポーランドやソ連のラジオが聴ける仕様になってました。
スタッフの人は親切でフレンドリーだったので、そこでもう良しとしましょう!

さて、2日目からはゴリゴリDDRを回るスケジュールを組みました。
まずは、ツイッターで教えていただいたガイドツアーBerliner Unterwelten(ベルリンの地下世界探索ツアー)に参加しました。
事前予約もできない上にかなり人気で競争率が高いと聞いていたので、ボックスオフィスが空く10時ちょうどを狙っていったところ、平日だったからかすんなり買えました。
チケットはこんな感じ。言語は英語・ドイツ語・スペイン語に対応、私はTour 1:WW2シェルター見学の英語のに参加です。
ツアー開始の11時までカフェで時間をつぶし、いざ集合。地下鉄の駅の脇の、一般人が入れない入口からどんどん地下へもぐっていきます。↓地下鉄の入り口とは別なのです。
ここから撮影は一切禁止。ネットにアップしたら問題になるから絶対にやめてね、とのことでした。残念。中は天井が高く、換気システムやトイレが完備されており、意外としっかり部屋の様相となっています。また、救護室の壁は部屋の電気を消してもしばらく明るく光る蓄光塗料で塗られており、「壁を触って手を洗わずにものを食べたら病気になる有害な塗料です。あえてやりたい人は触っていいですよ~」とガイドさんのジョークも飛びます。
戦時中の市民の避難生活、また戦後にいかに市民が生活を立て直していったのかが詳しく分かる内容となっていました。苦しい戦争が終わっても、連合軍の占領、イデオロギー対立、東西分裂…まだまだドイツの苦難は続くわけです。

さて、続いてチェックポイント・チャーリーをチラ見。
今ではただの大通りですが、分裂当時は兵隊さんが物々しく警備していたんだろうなと想像しながら、足早にクロイツベルクへ。
ネットで「ベルリンで1番!」との評判だったカリーヴルスト屋さん「Curry 36」です。
ご覧のとおり、ランチタイムともあり大賑わい。ちなみにベルリンで1番という人気のケバブ屋さんもちょうど向かいです。(ケバブは世界中どこでも食べれるわ…とスルーしちゃいましたが。)
これ!ほぼ揚げてあるくらいのカリカリのソーセージ、中はホクふわなんです。
それにたっぷりのトマトソース(ほぼケチャップ)とカレーパウダー。見た目は激重ですが、そして途中で心が折れそうになりましたが、美味しかったので完食!
もちろんフライドポテトだけではなく、オニオンやパンなどの付け合わせもチョイスできます。

続いて向かったのはDDRミュージアムとシュタージミュージアムですが、ミュージアム関連は後編にまとめたいと思います。
ここではもう1つグルメを。この翌日、またこれもベルリンで1番と評判の「BURGERAMT」へ行ってきました。
チーズバーガーが4.2ユーロ。サックサクのバンズに、はみ出すお肉。極めつけはやはりフライドオニオンと、いい酸味のカリカリガーキン。いやこの値段でこれが食べれるなら私は毎日通いたいっす、というかもうベルリン住みたい、そんな気持ちにさせられるバーガー。最高でした!

また、夜は映画館へ行きました。東ベルリンの大通り、カール・マルクス・アレーにある「Kino International(キノ・インターナショナル)」です。
63年、ちょうどベルリンの壁が建設された時期に完成し89年の東ドイツ崩壊までプレミアを行ってきた、いわばDDRの顔となった映画館。
スターリン様式の建築が多くみられる通りの中でも、その存在感は一線を画しています。
 カート・コバーンのドキュメンタリーが唯一の英語ということで、観てきました。
値段も10.50ユーロと、安い!ますますベルリンに魅力を感じたひと時なのでした。

ベルリン編後半では、DDRミュージアム、シュタージミュージアム、検問所跡などについて触れたいと思います。さらにその後、ドレスデン編へと続きます。記憶がフレッシュなうちに頑張ろう・・・・笑

15 Apr 2015

The Magic Whip全曲解説 byグレアム《後編》

NMEのインタビューにてグレアムが語った新譜The Magic Whipの全曲解説。
前回の記事に引き続き、7~12曲目となる後編です。
繰り返しになりますが、趣味で訳しているので意訳が「???」な部分もありますがどうかご容赦ください。

7. My Terracotta Heart
 アルバム発表のQ&Aセッションにて、デーモンが個人的な歌詞についての話題でモジモジしながらこう主張していた。「すべてがこの閉ざされた島(香港)に、何万人もの人に囲まれて居ることに関連しているんだ。」それはまあ確かにそうだろうが、この心に残る「My Terracotta Heart」という曲は、ある1人に向けて宛てられたものとなっている。「とんでもなく寂しい曲になるということは分かってたから、泣きのギターを入れたんだ。その時はデーモンと僕についての歌詞になるとは知らなかったんだ、僕らの長い友情と、経験してきたアップ・ダウンについての曲になるだなんてね。」とグレアムは語る。
 寂しげに過去を振り返り、『僕らは兄弟以上だった、でももうそれは遠い昔』とデーモンはしわがれ声のコーラスに乗せて歌う。そしてこう尋ねる、『何かが僕の中で壊れたの?その時なんだかワケが分からなくなって、また君を失ってしまうんじゃないかって』
 グレアムはさらにこう語る。「イイ曲だよね、僕ら4人がこのアルバムをもってして再会するという感じ… 僕らはそれぞれの旅に出かけていたというか、それでまた一緒にやろうぜとなって『My Terracotta Heart』みたいな曲が結果的に出来上がったんだから、僕ら全員のそれぞれのテイストや見方がうまく組み合わさったってことだね!」

8. There Are Too Many Of Us
 マーチングのビートに支えられているからか、この曲はどこか冷酷なところがある。デーモン曰く2014年のシドニーでの人質事件に一部インスピレーションを受けているということだが、地球上で最も人口密度が高い街の一つである香港の幻影も遠からず見える。グレアムによると、「この歌詞は何万通りもの解釈ができるでしょう。でも香港では時々窓の外を見て思うことがあるんだ、『あぁ、人が多すぎるよ…』って。それで、この感情と、僕たちはこのままじゃいけない(注:人口が増え続けては困るということ?)んだという事実について不安に感じ始めた。曲の後半になるにつれて緊張感が高まってくる感じが気に入ってるよ。この曲ではあんまりギターをプレイしていないんだ、シンセサイザーの方が合うと思って…殺人光線ビビビビビーみたいな図太くて大きい音を出しているよ。」

9. Ghost Ship
 「とってもデーモンらしい曲」とグレアムがこの曲「Ghost Ship」を一言で表しているが、まさにその通りだ。ゴリラズの柔らかいディスコ・ソウルが影響している、といえば想像できるところだろう。この曲においても、香港が歌詞の中にメインで登場する。実際、この街へのラブレターとも、デーモンがボーカルのレコーディングに先立って、インスピレーションを受けるために今年の初めに現地へ戻ったほどの魅力が描かれているとも取ることができる、『ちょっとの間離れていたけれど/より強く戻ってきた』と。
 グレアムはこう思い起こす。「香港に居る時、僕らはホテルを出てすっごい変なガラス張りのショッピングセンターを通り、綺麗にタイル張りされた地下鉄の駅周辺に電車に乗りに行く、という通勤・ラッシュアワーみたいな感覚をもってスタジオに通ってた。それで香港という街は行く先々、僕らに密着しているんじゃないかと思っている。僕らが見てたもの、聞いてたものが何とか音楽に落とし込まれたっていう感じだね。」

10. Pyongyang
 この曲は分かりやすく様々な憶測を呼んでいる、デーモンはキム・ジョンウンのブラックリストに載りたいのか?と。昨年GQ誌にデーモンが北朝鮮の首都・平壌への訪問について語ったところによると、平壌を「みんなが魔法の呪文にかかっているという意味で、マジック・キングダムだ」と例えている。そしてこの発言が「Pyongyang」を理解するためのカギとなっている。がらんとした通りと口にできない悲しみをはらんでいる、魔法にかけられたような大都市―それは『偉大な指導者を覆っているピンクの光が消えようとしている』と歌われている。みんなが考えているようにキム一家の支配をストレートに攻撃しているわけではなく、より幅広い意味での憐れな何か―美しくもわびしい、社会主義者たちのネバーランドの青写真なのではないだろうか。
 音楽的には「Pyongyang」は2003年の「Out Of Time」と共通しているところがあるが、後者は編集段階において切り貼りや変更が激しく加えられたものであった。グレアム曰く、「本当に暗いレクイエムで始まるんだ、この小さいゴーンゴーンゴーンというベルの音と、電車が発車するみたいな音も入ってる。最終的に壮大なコーラスになったけれど、最初にスティーヴンと僕で動き始めた時にはコーラスもボーカルも無かった、それでギャップを埋めるためのコーラスを思いついたんだ。後からデーモンが戻ってきたときに、あいつは自分で書いたんだけど…もちろんそっちの方が良くて。でも最後に僕が書いた部分も、デーモンのに重なって聞こえるよ。本当にシンプルな曲なんだけど、雄大に聞こえるでしょう。デーモンがコーラスで高いキーで歌う部分、これが最高の瞬間の一つなんだ!」

11. Ong Ong
 ビーチ・ボーイズのようなふわふわしたハーモニーとコーラスを聞かせてくれる陽気で楽しいこの曲は、この夏のハイドパークで演奏してくれ!と言わんばかりである。
 グレアムも同意し、こう語る。「まぁ元気なパーティソング、って感じだよね。デーモンが歌詞を仕上げてからボーカルを聴きに行ったときに、あいつが『ちょっと大衆的になっちゃったな』って言ったんだけれど、でもこういう曲でダメなことってないだろう。ほら、ビールが飛び交うような合唱ソングになるべくしてなるという。『I wanna be with you』の部分なんて、ビーチにいてヤシの木がゆらゆらして、ちょっとカラフルすぎて派手で、ちょっと気分が悪くなって、アイスクリーム屋さんがどこにでも居て、ロックスターたちがこぞって肌を焼に来ている…みたいな光景を思い起こさせるんだ。バハマ諸島の悪趣味な広告みたいな感じ。僕は結構好きだよ、でも時々変に訴えかけてくる曲ってあるよね、別にしなくてもいいようなことをしなきゃ、という気持ちにさせられるというか。でもその曲にやれ、って言われるからハイハイって従わなきゃいけないというね!」

12. Mirror Ball
 「Ong Ong」でのお祭り騒ぎの後、アークティック・モンキーズの「I Wanna Be Yours」を連想させるような、トレモロのきいた思いギターリフから成る瞑想的かつ感傷的な調べで、アルバムは終わりを迎える。
 「これもすっきりシンプルな曲なんだけど、やっぱり壮大でエモーショナルだよね。僕はいつも大胆にリバーブさせたコードとか、それをトレモロ・アームで歪ませるのが好きなんだ。中国やインドの音楽にあるように、弦を歪ませて出す不協和音が好きでね。」とグレアムは語る。

さてアルバムは2週間後の4月27日発売、いよいよ待ちきれません。
そんな中、今日BBCで放送されたLater.... with Jools Hollandの映像がさっそくアップされていたので、グレアムの解説と共にお楽しみください。

I Broadcast


Ong Ong

7 Apr 2015

The Magic Whip全曲解説 byグレアム《前編》

オリジナルのNMEの記事で、Blurのギタリスト、グレアム・コクソンが4月27日発売の新譜「The Magic Whip」の収録曲について1曲ずつ解説をしています。
(ということからも、今回のアルバムがグレアム主導だったことが窺えますね!)
これはアルバムが出る前までに何とか訳したい・・・と思い、趣味でざくっと訳してみました。
前回同様、素人仕事かつまだアルバムを聴いていないので、意訳ミスなどご容赦ください。
まずは前半、1~6曲目から。

1.  Lonesome Street
 12年ぶりのBlurのアルバムにおいてリスナーが期待するサウンドやスタイルがそれぞれあるわけだが、ここまでドヤ顔で「Modern Life is Rubbish」と「Parklife」の間をいくような「復活じゃ!」というものになるとは思いもよらなかっただろう。「Lonesome Street」を初めて聴いた時に、あぁBlurのこんなサウンドは久々じゃないか・・・と思わずには居られないのではないだろうか。まあブラー的にふわっと言うところの、デーモンが「5:14のEast Grinstead(ロンドンより約30分の街)行きの電車」に飛び乗ることについて歌っている時にニヤつく(grinとかぶっている、いわばダジャレ)のを我慢しろよ、ということか。
 「この曲には確かに親しみがあるよね、デーモンの生意気な感じのボーカルとかひねくれた童謡っぽい響きとか、全てがちょっとカオスな夜を突っ走ってきた感じに聞こえるでしょ。」とグレアムは語る。
 また、この曲は百何通りもの方向にむけて放たれているようにも、バラバラの型がひとつに集まっているようにも思える。グレアムはこう回想する、「スティーヴン(・ストリート)とこの曲を聴き返したときに、『全体的にガツガツした感じにして、シド・バレット的な挿入部分を入れてみたらどうかな?』と思ったんだ。それで香港の舗装路に乗っかった時にどう見えるかということについて表す別のセクションを書いたんだ。道に突っ立って動かずにいるのに、行きたいところにどこでも連れて行ってくれるというようなね。それはレコーディングを始めるにはなんともお気楽なスタートだったよ。」

2. New World Towers
 オープニング・トラックの様式化された「イギリスらしさ」に続き、「New World Towers」は、実際に市内中心部にある高層ビルにちなんでいるタイトルではあるものの、レトロ・フューチャリズム的なSF性と、「大きくて白い空からくり抜いた」ようなごちゃごちゃした建物たちのイメージにより、とても「香港らしい曲」となっているように思われる。
 しかしグレアムによれば、「香港らしい曲というわけでは全くないね、デーモンが香港に戻って街に居ながら歌詞をつけるまでは、ちょっとフレーズがあっただけで全く歌詞がなかったんだから。このアルバムにおいては言葉の事なんか全く考えずにやったというか、詞とボーカルは後から付いたんだよ。僕はこの曲を、SF版『グリーンスリーヴス(イギリス民謡)』っぽい感じにしたかったから、イギリスらしく尚かつちょっと狂ったようなサウンドになるように注力したんだ。」とのことである。

3. Go Out
 このアルバムから最初にお披露目になった曲は、グレアムによると「愉快でも、キラキラも、いかにもブラーって感じではなかったから選んだんだ。多くの人たちがブラーのそういう曲が好きで、僕たちのことを嫌いな部類の人たちはおそらく僕らの他の曲をよく知らないんだろうな、というのは分かってる。『Go Out』はその両方の間のとこらへんにあるような気がして。つまり、軽めのサウンドのようで結構パワフルでもあるっていう。僕にとっては、僕らのやったことの無い領域なんじゃないかなという気がしてる。デーモンの声でおなじみ感はあれど、サウンド的には今までのブラーのどの曲とも違っているよね。」

4. Ice Cream Man
 90年代初めのゲーム機「メガドライブ」からとったようなピコピコしたキーボード・リフから始まるちょっと変わった曲。実はこれはグレアムがデーモンのハードドライブから拝借したものだという。グレアムによると「デーモンは『GarageBand(音楽制作ソフト)』で作ったクレイジーな音源をためこんでて、このアルバムの中でもそのアイデアを使って曲を作り上げつつ、香港でやったジャム・セッションとつなぎ合わせたようなところがある。だからこの曲はこの短いコードの連続から始まり、それでスティーヴンと僕が即興ボーカルを細かく刻むことでコーラスに仕上げたんだ。」彼はまたこの「冷たいデザートのテーマ」を取り上げて、アルバムのネオン・アートワークにも反映させた。「ベースソロは子供の時にアイスクリーム・バンが流してたMr Softyの曲の中の一部ってことになってる。全く同じではないけれど、間違いなく似たような感じだよね。」
 歌詞は非常に遠まわしで初めは少々ばかげているようにさえ聴こえる(『アイスクリームマンが来たよ、道の端っこに停まってるよ』)が、そこにはブラックな一面がたっぷり含まれているのだ。おそらくだが『それをテレビで見たときはまだ21歳だった』という部分は、1989年の天安門事件のことを示唆していると言えるだろう。グレアム曰く「ぱっと聴いたら愉快な曲に聴こえるけれど、その裏にはダークな真意があるってことだ。」

5. Thought I Was A Spaceman
 グレアムにとって「The Magic Whip」のカギとなるテーマは、音楽的・詞的のいずれにもあるという。「それはアルバムを通して流れる『異国感』であり、ふわふわと行き来する変なサウンドが、本当は自分が住んでて慣れ親しんでる世界にいるのではなく…どこっていうわけじゃないどこかに君はいるんだよ、という事を伝えているんだ。」
 この、実はこのアルバムの中で一番長く6分以上もある曲は、まさにその通りである。
よく知らないような、もしかすると世界が滅亡した後の地球とでも言えるような一場面を見せつけられることになる。『僕らの住んでいたところは砂漠になった/僕みたいな人たちは諸悪の根源(demons)を隠し続けようとしたんだ』
 「猿の惑星」的スタイルのねじれた世界の中で、名ばかりの宇宙人が探索をしている砂丘が、結局ほかでもない、6月20日に大規模なカムバック・ギグを行うロンドンのハイドパークでの一場面になるのだ、ということか。

6. I Broadcast
 手に負えないあの情熱を持ち、フレッドペリーのポロシャツが目印だったあの頃のブラーへ引き戻すような、もうひとつの曲がこれである。ちょっとズレた80sポップスらしいサウンドから始まり、グレアムのジャキジャキしたギターリフがバーンと扉を開ける。
 歌詞としては、「違う場所に行ったとして、そんなはずないと思っていても、そこの人たちが自分の事を知っているという状況について歌った曲だ。」とグレアムは考える。
 そして、今までよりさらに繋がり合ってきている、つまり自らのアイデンティティがラベル化され、行動がカタログ化されることで、決してリアルに消えることが出来なくなってきた世界を描いているように思われる。『ほかの街の、ある側面がいいなと思う/君のナンバーと血液型を把握しているんだよ』と。

長くなるので、後半はまた追ってポストします。

2 Apr 2015

Enjoy Your Music Life in London

 よく、「ロンドンでのギグ情報や新しいバンドの情報はどうやって手に入れているの?」という質問を受けますが、一言では答えられないので今回は情報のソースをまとめてみようと思います。
かつてはNMEやTimeOutのMusicページで、あるいはヴェニューで配られるフライヤーをチェックしていたものです・・・(7年前はまだそんな感じでした。)が、今はとっても便利な世の中。
イギリスに旅行で来られる人、またワーホリ・留学でこれから渡英する音楽好きの人のちょっとしたヒントになれば幸いです。
(注) クラブには全然行かないので、あくまでライブハウスで行われるギグの情報に限ります!

①お目当てのアーティストから検索: Songkick(ソングキック)
 好きなアーティストを登録しておけば、新しいギグが決まったときにアラートしてくれるというのが主な機能。スマホのAppもあるので、とても便利。
過去には、Franzのシークレットギグのお知らせが一番初めにSongkickから来たこともありました。敏感にチェックすべしなのです。
*Last.fmと連携: 再生したことがあるアーティストを自動で取り込めます。
*Facebookと連携: RSVP機能があるので、行くor検討中のギグのスケジュール管理ができ、またお友達も来るかどうかチェックできます。

②ランダムに情報を拾いたい: イベンターのニュースレターに登録
 レーベル単位でイベンターと契約を結んでいるパターンが殆どなので、好きなバンドのレーベルを確認してそこのイベンターを登録しておけば自動的に好みのバンドの情報が拾えちゃいます。
Eat Your Own Ears http://www.eatyourownears.com/

③やっぱり紙媒体という方には: LONDON IN STEREO
 レコード屋やライブハウス、カフェなどで手に入る小さな冊子のタイプのフリーペーパー。
インタビューや新しいバンドの紹介も載っていて、さらにちゃんとGigのスケジュールも網羅している優れもの。手に入らない時はもちろんWeb版でも十分ですが、このサイズとクオリティは集めたくなるw
 ギグ情報は載っていませんが、新しいバンド&新譜情報を手に入れるならダントツにこれ、DIY
ホントにこれタダでいいんですか?というクオリティの高さ。撮り下ろし写真のついたインタビュー、新人紹介、ライブレビュー、ディスクレビューとたっぷり充実の内容。
私の知る限りはRough Trade Eastでしか見たことがありませんので、レコードを買いに行ったついでにどうぞ。

ざっとこんな感じです。ぜひロンドンで楽しい音楽ライフを!


1 Apr 2015

Live Review - Gengahr / Marika Hackman

またまたライブレビュー。この前友達に、Transgressiveのバンドばかり見に行ってるんだねwと指摘された通り、見事にみんなTransgressive。無意識でした、これからもいいバンドを発掘してくださいお願いしますTransgressiveさん。
ちなみにレーベルの第一線で働くのは殆どが私と同世代(20代後半~30代前半)らしく、世代的に響くのも自然なことなのかなぁと妙に納得がいったのでした。

前置きが長くなりましたが、先日は業界の友人も「彼らは今一番キテる!」とイチオシのバンド、Gengahr(ゲンガー)のライブに行ってきました。
Alt-JのO2アリーナ公演、DarliaやWolf Aliceのサポートなどを経てSXSWにも出演、ロンドンでのライブはソールドアウトしてしまうほど人気急上昇中の彼ら、
現時点でTrangressiveから2枚のシングルを発表しています。
そのメロディセンスは各メディアも絶賛しているところ。
昨年のデビュー以来世界中で人気を獲得しているTemplesの流れを汲んでいるようなサイケデリックサウンド。
それに加えよりシンプリファイされたピュアなギター、心地の良いドリーミーなボーカル。
ライブの雰囲気はChildhoodにも近い、といえば想像がつくところでしょうか。
アルバムは6月に発売の予定だそうです。今から楽しみ。そして今年の夏フェスにはひっぱりだこになること間違いなしでしょう。(既にThe Great EscapeやBSTなどへの出演が決まっています。)


続いて、つい昨日Bush Hallにて行われたMarika Hackman(マリカ・ハックマン)。
学生時代にモデルのカーラ・デルヴィーニュとバンドを組んでいたとか、Johnny Flynnと一緒に活動していたとか、女性フォークの先輩Laura Maringのサポートをつとめるなどという、謎かつ華々しい経歴の持ち主の彼女はまだ23歳。
今年2月にアルバムを発売し、ロンドンでのライブは軒並みソールドアウト。
冬の凛とした白黒の世界が目に浮かぶような歌詞と透き通っていつつもちょっとハスキーな歌声。
ライブではギター1本で淡々と、かつ堂々と歌い上げます。
昨日は初めてストリングスを入れたライブだったようで、「今日初めてだから・・・」と繰り返していました。
ライブセッションの動画もYouTubeにたくさんあがっているので、チェックしてみてください。
シーンと聴き入っていた(イギリスのライブでは誰もしゃべっていないなど珍しい)ので、あまり写真も満足に撮れず。
Bush Hallはこんな素敵な内装でしたー。